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【リジットデニム / 生デニム 】有名産地や洗濯方法、履き方・育て方、おすすめブランドなど一挙まとめてご紹介!

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リジットデニム (生デニム)とは?
リジットデニムをご存知ですか?

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リジットデニムは、生デニムとも呼ばれますが、 “水洗いを含めて加工が施されていないデニム” を「リジットデニム」と称します。厳密には防縮加工のみ施されています。
実際は、防縮加工も含めて加工が一切されていない無加工のものを「生デニム(ロウデニム)」と区別されています。「生デニム(ロウデニム)」の方が、よりオーガニックという解釈です。
現在、ショップに並ぶジーンズのほとんどが洗い加工やユーズド加工、ダメージ加工などが施されています。
デニム生地は糊が付いた状態なのでとても固く、洗い加工を行うことで糊が落ちて生地が柔らかくなり、履きやすく、動きやすくなっているのです。
日本のデニム産地について

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日本のデニム・ジーンズの産地と言えば、三備(さんび)地区が挙げられます。
昔の国名が備前・備中・備後だったため「三備地区」と呼ばれます。
備前:岡山県南東部の児島地区
備中:岡山県西部の井原・倉敷地区
備後:広島県東部(福山地区)
児島地区も有名ですが、その中でも備中・備後地域が日本のデニムの一大産地になっています。
この地域は元々、綿作が盛んで表を藍で染めた備中の“備中小倉”と呼ばれる綿織物、備後では備後絣(びんごかすり)/【日本三大絣のひとつ】が作られていました。
こうした伝統工芸が元となり、戦後にデニムの一大生産地に発展したのです。
この地域では、「染色」「織布」「縫製」「洗い加工」と紡績以外のほとんど全ての業種が集まりモノ作りに取り組んでいます。
リジットデニム/生デニムを履く前にすることとは?

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リジットデニム、生デニム、ノンウオッシュデニム、未洗いデニムと呼ばれるものは購入後にその経年変化を楽しみ “育てること” が醍醐味とされています。
先に記述しましたように、初めは糊が付いた状態なのでとても固いため、そのままではとても着心地が悪いです。そのため、着用前に洗濯し糊落としをするのが一般的です。
「糊落とし」と「洗濯」について
【①】
まずはジーンズ購入時に付いている付属品やタグなどを外し、ジーンズを裏返します。

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*洗濯時に形が崩れないようにボタンやファスナーなどを閉めておきます。
【②】
ジーンズが入る大きさのタライなどを用意しておきます。最近ではジーンズの洗濯やスニーカー洗い用に便利な折りたためるソフトタブなども販売されています。デニムからの色落ちがあるためバスタブを利用すると色が残り洗うのが大変になることもあるため注意してください。
【③】
お風呂に入る時の湯加減である40度くらいの温度のお湯をタライに入れます。
その中に固形石鹸を手でゆすぎながら入れ、石鹸水にします。固形石鹸は脂肪酸と水酸化ナトリウムを合わせたものなので、弱アルカリ性の性質を持ち、デニムに付いている糊を落とすのに適しています。
【④】
石鹸水の中にデニムを入れてぎゅっと手で押し洗いします。デニム全体に押し洗いが出来たら石鹸水を捨てて、きれいなお湯ですすいでいきます。糊をしっかり落としておかないと後の色落ちにムラができるためしっかりすすぎましょう。

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【⑤】
洗濯機で脱水を行います。

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【⑥】
裏返しの状態で半乾きの状態になるまで陰干しします。

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この際、脇線や股下の縫い代を手で広げてきちんと縫い代が割れているように手で癖をつけて下さい。

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【⑦】
手で触ってまだ少し湿っている程度になるまで乾かします。半乾きの状態になれば乾燥機に入れて一気に乾燥させます。乾燥時間は20~30分以内です。
大きな熱量を加えて短時間で乾燥させることでデニムを最大限に縮ませます。
デニムの目が詰まることで生地に厚みが出て、しっかり履き込めるデニムに仕上がります。ガス式のコインランドリーの乾燥機の方が熱量は高いためより有効です。
半乾きにせず乾燥機にかけると水分を含みデニムが重いため、回しながら乾くまでに時間がかかり、乾燥機の中でねじれが発生する可能性があるため、半乾きにすることでその可能性を少なくさせる目的があります。
【⑧】
乾燥機から取り出して表に返して完了です。

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リジットデニム/生デニムの糊を落とさず履くことはできるのか?

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糊を落とさず硬いデニムの状態で着用するということはデニムの生地を縮ませず履き込みを開始することになります。
生地に張りがあるため、着用時のシワが鋭角に入り、紙を折ったような濃淡がはっきりした線が入ります。落ち方には好みがありますが、少しずつ履き込んで育てたヴィンテージ感を好む場合には不向きでしょう。
デニム生地の多くは綿糸で織られており、洗濯・乾燥により縮みが発生します。
リジットデニムには洗濯による縮みを想定して防縮加工が施されていますが、それでも縮率が5%ほど縮むデニムも少なくありません。生デニムの状態で履き込み、自分の体型に合ったヒゲやハチノスアタリがついても洗濯して乾かすと縮みが出る為フィット感が変わります。さらにはアタリの位置もずれが発生し、中途半端な色落ちになってしまいます。
このため、着用前に糊を落としサイズを縮ませた上で履き込みを開始することが重要と言われています。
デニムの洗濯後の縮みについて
リジットデニムの加工工程ではあらかじめ収縮率を計算し、蒸気をデニムに当てて縮みを生じさせる“サンフォライズド加工(防縮加工)”が施されています。
洗濯時や乾燥機に入れた場合に生じる縮みを最小限にするためです。
それでも糊落としの際の洗い“ファーストウォッシュ”では横のサイズも丈も縮みが発生します。2回目以降の洗濯では縮みは徐々に落ち着き、履いていると体に合うのがデニムの良さですが、ジーンズを購入する際は縮みを念頭にサイズを選ぶようにした方がよいでしょう。
リジットデニム/生デニムの色落ちについて
リジットデニムは自分のデニムを自分の好きなように “一から育てる楽しみ” が醍醐味です。
デニム好きな方がそのこだわりを語り、パートナーのように共に過ごし、経年変化を愛おしく感じるように、2つとして同じものが出来ない面白さがあります。
【右】購入時のリジットデニム / 【左】1年半履き込んだもの

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ベストな洗濯頻度はどのくらい?

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ジーンズを洗う頻度は決まっているわけではありませんが、汗をかきやすい時期は最低でも月に1回、匂いが気になるようであれば週に1回は洗濯するのが一般的です。
洗う頻度によりメリット・デメリットは異なります。頻度が多ければ清潔を保てることは勿論、汗や皮脂による生地の痛みを防ぐことが出来ますが、色落ちは進みます。
頻度が少なければヒゲや膝裏のハチノスなど履きジワやアタリなどをしっかり残すことができ、履き込み感のある良いアタリが出ます。
しかし汚れたままや匂いが残った状態で履き続ければ不潔さが出る場合もあるでしょう。
「ジーンズを洗濯する時は裏返して洗う」と聞いたことがあると思いますが、これはジーンズの表面への摩擦が軽減され、不用な色落ちを避けることが出来るからです。
裏返さず洗うと、ヒゲや脇線、股下の縫い代、ボタンやリベット部分にアタリが出やすくなります。また、複数のデニムを一緒に洗うことで摩擦が出てアタリが出やすくなるなど、どのように“育てたいか”によって変わってくるでしょう。
洗剤は、蛍光漂白剤が含まれる洗剤を避け、デニム専用の洗剤か中性洗剤使用がおすすめです。
国産リジットデニム/生デニムのおすすめブランド
リジットデニムで人気の国産デニムブランドをいくつかご紹介しましょう。
RESOLUTE(リゾルト)

http://www.resolute.jp/
リゾルトは国産デニム業界で20年以上デザイナーを務め、デニムファンに支持されてきた林芳亨氏が立ち上げたブランドです。
デニムの産地、備後地区の熟練のデニム職人たちの手によって全行程が行われているジャパンメイドデニムです。
「履き込むことでいい色になる」という考えのもと、あえて加工を施さずベーシックなデニムがリゾルトらしさです。
リゾルトの代表的モデル「710」のリジットデニムは13.6オンスのデニムを使用し、洗うたびに毛羽立つ1960年代のデニム生地を再現したもの。
まさに“育てるためのデニム”にふさわしいと支持され、多くのデニムファンに愛用されています。
Denime(ドゥニーム)

https://www.denime.shop/

https://www.denime.shop/
ドゥニームは1988年に創業した国内でも老舗のデニムブランドです。
ヴィンテージデニムを再現するレプリカブランドのパイオニア的存在としてスタートしたことで知られています。1950年~70年代のヴィンテージアイテムをモチーフにしながらもレプリカの枠にとらわれない「真の定番」をコンセプトに展開。積み重ねた知識や経験の元、素材選びからこだわり抜かれて作られた高い品質のジャパンメイドデニムです。
ドゥニームの中でも定番デニムとして圧倒的人気を誇るのが13オンスのリジットストレートモデル(66TYPE)。ドゥニームのデニムのインディゴのカラーはその濃紺の色の深さが特徴ですが、加えて、履き込むことでさらに味や風合いが出てくると言われ、ドゥニームのデニムだから表現できる自分だけの1本を育てる楽しみがあると言われています。
KURO(クロ)

https://kurodenim.com/
クロは2010年シーズンにスタートした国産ブランドです。日本人独自の感覚をモダナイズした現代のファッションシーンに合うラインナップが展開されています。
クロのつくる全てのデニムの基本となっているのは世界的に見ても高品質とされる“吉河織物社製のセルビッチデニム”です。
デニムの産地である岡山県井原市で1947年に創業した同社。長い歴史と伝統が活かされたデニムが、数ある国産デニムの中でクロが注目を浴びるブランドに成長する大きな後押しになっています。
他のデニムブランドにないような細かなディティールやカジュアルさだけでなく、上品さを併せ持つ魅力がデニム好き達を虜にしています。こだわったシルエットのリジットデニムが履き込むことでより足馴染みを良くし、おしゃれさが増すのがクロのデニムの特徴でしょう。
まとめ
数ある加工デニムの中で無加工の「リジットデニム」「生デニム」に原点回帰の声が出るようになった昨今ですが、リジットデニムはアメリカでデニムの歴史が始まった19世紀半ばから存在していました。
そして、デニム好きな人たちはファッショントレンドとは関係なく、リジットデニムを育て、愛用してきました。自分の個性が出せ、経年変化が楽しめるデニムはミニマル傾向の時代性にもマッチしており、更に人気が出るのではないかと思います。“育て方”を参考にされて、自分だけのデニムを育てる楽しみを味わってください。
ちなみに、リジッドデニムではありませんが、arkhē(アルケー)では大人っぽくベーシックなデニムを自社開発し国内生産でつくっています。ストレートシルエットにセンタープレスが入った大人っぽい表情の一本です。ワンウォッシュはかけていますが、油分を多めに含んだ光沢のある生地感も特徴です。
大人っぽいデニムをお求めの方はぜひとも検討ください。
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