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【男靴の原点】今日もまた、サンダースを履いている。
紳士靴ではなく、敢えて“男靴”と書いたのは、そこに男を魅了するサンダースの個性が溢れているように感じたためです。
サンダースは素材や構造、グッドイヤーウェルトといった本格靴の要素と機能を備えながら、様々なシーンで戦う武器としての逞しさがあります。
公式サイトにあるラインアップの多くは紐靴つまりオックスフォードタイプであり、色もカジュアルタイプのスエードチャッカ以外は、すべて黒という徹底ぶりです。
頑丈で機能的なアメリカ靴も、色香漂うイタリア靴も魅力的なのですが、男の足元を支え、辛い時にこそ踏ん張りが効く男靴 “サンダース”を掘り下げてみようと思います。
ブランド概要
140年の歴史とロイヤルワラント(英国王室御用達)という矜持
サンダースは、1873年にサンダース兄弟によって英国靴の聖地ノーザンプトンに設立された世界屈指の老舗シューメーカーです。
大手資本に頼らず地道にファミリービジネスを続け、現在は4代目。90人ほどの職人が質の高い男靴を作り続けています。
多くのラインナップのうち「Military Collection(ミリタリーコレクション)」
が有名で、製法は全方位を縫い付けるオールアランドグッドイヤーウェルトを採用、従来の半分程度を縫い付けるものより耐久性に優れた仕上がりで、履きやすさにも定評を得ています。
使用素材はポリッシュドカーフ。上質なカーフレザーの表面に樹脂を塗布し、丁寧に磨き上げることでしっとりとした光沢を放っています。雨など湿気に強いことも特徴の一つです。
こうした頑固なモノ作りが評価され、イギリス国防総省向けにレザーシューズを供給するほか、警察や消防などの官給品も手掛けています。
それは英国内に留まらず、30ケ国のオフィシャルシューズとして納品されています。
これらの実績はロイヤルワラント(英国王室御用達)授与という名誉につながり、ミリタリーコレクションのヒール部分にはエリザベス女王の印が刻まれていています。
サンダースならではの矜持です。
定番アイテムの紹介
サンダースは、確かなモノ作りが評価されギーブス&ホークスやマルセルラサンス、A.P.C.、ラルフローレンのOEM製品や日本のセレクトショップの別注品も手掛けてきました。
中でも日本の公式サイトで紹介しているのは、MILITARY COLLECTION、SANDERS COLLECTIONと女性向けの3種類。
下記ではミリタリー、サンダースそれぞれのコレクションから定番アイテムをご紹介します。
MILITARY COLLECTION /1128B Military Derby Shoe
素材:ポリッシュドカーフ
価格:46,000円 税別
イギリス国防総省向けに納入していたアーカイブを基に木型を削り、日本限定として企画されたモデル。
外羽根式なのでスーツスタイルからデニムや軍パンなどとのコーディネイトまでシーンを選ばない汎用性が魅力です。
ソールはコマンドタイプの英国ITHIDE社製のもので、天候に左右されないグリップ力があり、その上頑丈でヘリが少ないというタフさが備わっています。
コバの張り出しも力強く、男気を漂わせる一足です。
SANDERS COLLECTION/9877TS Brit Chukka
素材:スエード
価格:43,000円 税別
ややスクエアなトゥが特徴のデザイン、サンダースを代表するモデルです。
スティーブ・マックイーンが愛用したことから有名になりました。プレイボーイチャッカブーツとも呼ばれることもあるようです。
アッパーとソールの接合部にマッドガードを巻き付けた仕様は雨が多い英国ならでは、防水性と耐久性に優れ水や泥から靴を守ります。
クッション性が高いクレープソールは長時間履いていても疲れを感じさせません。
適度なボリューム感が他ブランドのチャッカブーツとの差別化につながります。
SANDERSが支持される理由
様々な理由がある中、やはり目を引くのは圧倒的な価格設定でしょう。
コストパフォーマンスの高さを特徴とするシューズブランドは存在しますが、その多くは製造部門をアジアや中南米にシフトすることによって可能にしています。
かつてはマネージメントが不十分で、クオリティにばらつきがありましたが現在ではそのようなことも少なくなりました。
しかしそれでも、自国で作られた製品とは微妙なニュアンスや感覚的な違いがあるのも事実です。
一方、サンダースは今でも英国本社工場で90人ほどの職人によって作り出されます。まさに生粋の英国靴メーカーです。
サンダースは、140年の歴史が培ったアーカイブを基に、非常に頑固な靴作りを続けているため、何年経ってもも同じもの、オリジナルに近いモデルが購入できると言われています。
ミリタリーシリーズに使われる素材であるポリッシュドカーフは、頑丈なだけでなく磨き込むほどに気品ある光沢を放ちます。耐久性とグリップ力に優れたコマンドソールは半永久的に交換が可能です。
モデルによってはスペアのシューレースが付いてくるという嬉しいサービスも。
内羽根・外羽根の2タイプを所有していれば、ほとんどのシーンに合わせることが可能です。
靴にこだわりたい人であれば、間違いなく所有しておきたいブランドです。
どんな人におすすめか
初めて英国靴を考えている人やさまざまな紳士靴を経験してきた人など、様々な人におすすめできるブランドです。
サンダースは英国靴の要素・定義をすべて持っています。それは素材や製法といったものだけでなく、ノーザンプトンという立地や歴史、そこに流れる時間や空気を纏っています。さらにロイヤルワラントという名誉まで。
それでいながら、圧倒的な価格設定は英国靴初心者には嬉しい限りです。ここから英国靴にハマる人も少なくはありません。
一方で、シューズマニアにあっては、ワードローブから外せない、残しておきたい英国靴ではないでしょうか。
頑丈に加え、ソールの反りや修理を重ねた履歴、足のカーブに沿ったインソールの形も含み、サンダースでしか味わえない重厚な感触があるからです。
サンダースと連れ添ってきた密やかな贅沢が、毎日の暮らしに潤いを与えてくれるのではないでしょうか。
どこで買えるか
1. 公式サイトのネット通販
下記に日本で公式に取り扱っているモデルが網羅されています。
メンテナンスについても相談可能です。
【公式通販サイト】 http://www.sanders.jp/store/
2. 全国の特約店・販売店
公式サイトでは全国の特約店情報を掲載していますが、実際に履いてから購入したい方は下記を参考にしてみてください。
【公式サイトショップリスト】
http://www.sanders.jp/shop_list/
ユナイテッドアローズ・ビームスなどの有名セレクトショップ、伊勢丹などで取り扱いがあります。
【その他通販サイト】
・Amazon
https://www.amazon.co.jp/b?ie=UTF8&node=2188054051
日本公式モデル以外、並行輸入品もラインナップされているので、思わぬ掘り出し物が見つかるかも知れません。
・BUYMA
サイズ選びに注意は必要ですが、海外モデルがお手頃プライスで購入可能です。
いくらくらいか
コレクション別にご紹介します。
ミリタリーコレクション 現在13アイテム 46,000円~55,000円
サンダースのアイコンモデル1128B Military Derby Shoeがお求めやすい46,000円、1880年から1950年頃までイギリス軍に納入されていたアーカイブモデルB.G.Sコレクションでも55,000円と非常にお手頃な価格で購入が可能です。
サンダースコレクション 現在13アイテム 39,000円~50,000円
創業145周年を記念したリミテッドモデル145thCup Oxfordが39,000円、リッジウェイ
ラバーソールを装着した3-Tie Cukka Bootsが50,000円程度となっています。
まとめ
サンダースはスタイリッシュすぎずレトロすぎない、いい意味で普遍的なスタイルの中に上品な個性を感じます。
また、靴本来の役割である足の保護をこなし、主張することなくお洒落に安全に支えてくれます。
デザイン・機能・歴史、全て妥協できないという人にはおすすめのブランドです。
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