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【20万円以上】厳選した高級スーツブランド7選|高級スーツがなぜ高いかについてもご説明します
スーツを選ぶ時の軸には様々あります。
・自分の身体に合ったサイズ
・デザインの好み
・品質
・丈夫さ
・値段
腕時計など小物を選ぶときも同様ですが、ビジネス用のスーツか、プライベート用のスーツかなど、着る目的によっても選び方は変わると思います。
メンズファッションの1つになりますが、スーツそのものがフォーマルなアイテムの為、スーツの選び方次第でその印象が大きく変わります。また、シャツ選びも全体の印象に大きく関わることも、覚えておきましょう。
スーツの中には“プレミアムスーツ”と言われる高級感溢れるスーツから、ショップに並んでいる吊りのスーツ、パターンオーダースーツなど色々なスーツがあります。
高級スーツブランドの金額だと30万円以上のというケースも珍しくありません。
スーツの中には10万円ほどのものも多々あります。この値段の差と言うのは何でしょう?
以下では、高級スーツの内側に迫ってみましょう。
高級スーツが高い理由とポイント
1.ファブリック

https://www.ringwood.jp/
スーツの命とも言えるのは生地の選択です。
生地の良しあしで仕上りが全く変わるため、スーツを手掛けるブランドでは最重要視されています。
スーツ生地の代表格と言えば天然繊維であるウール100%です。
そして、生地の風合いを見極めるポイントは原毛の細さである「毛番手」となります。
高級スーツでは毛番手のスペック表記をしているのが一般的です。例えば、“SUPER100’S”とあれば、「1gの原毛から100メートルの繊維を作ることができる」という理論上の意味を指します。
この数値が高いほど高級で艶のある上品な風合いでデリケートなため、ドレススーツなどに適しています。日常使いのビジネススーツであればSUPER100sが一般的で、もう少しドレッシーなものを好まれる場合はSUPER130sが適しているでしょう。
*SUPER表示は80’Sから250’Sまであり、数値が10増えるごとに0.5ミクロンずつ細くなっていきます。

https://www.ringwood.jp/
スペック以外で理想とするスーツ生地の特徴としては、柔らかく、ソフトな風合いであるか、光沢や艶感はあるかといった点です。上質な原毛はもともと油を多く含んでいるため、生地を作る過程で「洗毛」を行っても油分が残り、自然な光沢感が出ます。生地の質感も滑らかで、このような上質な生地は復元性に優れるため、しわが入ってもすぐに戻るのが特徴です。
しわのない美しいシルエットを保ち、自然な光沢を兼ね備えていることが大人の男性が求める理想的なスーツ生地と言えるでしょう。
また、上質で高級な生地を使用すれば製品コストもその分高くなるため、スーツの値段差に繋がっていきます。
スーツ生地を製造する有名な生地ブランドとして、「Loro Piana(ロロピアーナ)/イタリア」「DORMEUIL(ドーメル)/イギリス」「Ermenegildo Zegna(エルメネジルド・ゼニア)/イタリア」などが挙げられます。
「ARMANI(アルマーニ)」、「Kiton(キートン)」、「DUNHILL(ダンヒル)」、「Paul Smith(ポール・スミス)」など高級スーツを販売している多くのブランドへ生地を提供しており、高い品質は勿論のこと、生地ブランドとしてステイタスの高さでも知られています。日本を含め世界中のオーダースーツショップにおいて取扱いの多いブランドです。余談ですが、上記に挙げたDUNHILL(ダンヒル)は2000年よりサッカー日本代表に毎年オフィシャルスーツを提供しているのだそう。
2.縫製品質

https://www.lardini.com/it
理想のスーツを実現するためにはファクトリーの縫製品質が不可欠です。
スーツは細身の方から体格の良い方まで、人それぞれの身体に合ったサイズ感と、動きに合わせた快適な着心地、そして近年のスーツの傾向であるソフトな軽さも求められています。素材のコレクションからパターンメイキング力、スーツの内側の仕様など、高級スーツには表からは見えない技術やテクニックが数多く隠されています。
高級ブランドのようなジャケットを作りたいと、スーツを購入し分解してそのディティールを研究するファクトリーが多いのも事実です。そのような隠れた技術は「完成」と言う言葉を持たずに修正を繰り返し、時代の流れを反映させながらアップデートを積み重ねてきた賜物です。
縫製にはミシンを使った“マシンメイド”と職人の手仕事の2つがあります。一般的な縫製はスピードの速いマシンメイドを主流にしていて、値段が安くなるほど縫製の工程が少なく、手仕事を用いません。縫製にかかる時間を短縮するモノ作りでコストダウンを図ります。
一方、高級スーツにおけるジャケットの縫製では“本縫い”はマシンメイドで、それ以外のほとんどの工程を手仕事で行うのが特徴です。ボタンホールも手でかがりますし、ステッチなども全てハンドステッチです。

https://otokomaeken.com/
ミシンはどれだけ糸調子を調整しても一定のテンションで一針ずつ進みます。手仕事はその名の通り左右の手先を使い、針・糸・生地の3つを指先のテンションで調節しながら縫うことが出来るため、繊細な仕事が可能です。
何年、何十年と手縫いで多くのジャケットを縫製してきた職人ならば、生地に合わせてどんなテンションがいいか指先が覚えているでしょう。
そして縫製箇所に都度、アイロンでキレイに形成し、身体に沿わせるよう立体化させます。このアイロン工程が非常に大切なポイントなのです。

https://www.belvest.com//it
高級スーツの目的は「最高級の完成度」です。
手仕事ベースで一般スーツの何倍も多い工程を通りながら一着ずつを大切に仕上げています。スーツのジャケットの内側には立体的なフォルムを作るために芯地や増し芯、肩パッド、スラックスのウエスト周りには滑り止めを防止するディティールが施されています。
高級ブランドでは市販のものを使うことはほとんどなく、自社で開発したオリジナルの素材、厚み、形状のものを使用しています。こういったこだわりにより、型崩れしにくく長く着用できる抜群のスーツが完成します。
すべては最高の一着にするために、快適な着心地のために身に付ける人の素敵な時間のために作られているのです。
3.オーダー

https://otokomaeken.com/
高級スーツはフルオーダーメイドで作られる場合が多く、着る人の身体にぴったりフィットするため、見た目の美しさが明らかに違います。採寸を丁寧に行い、仮縫いサンプルを作成し、フィッティングと修正を繰り返し微調整を行った上で、この世に一着しかない、その人だけの型紙(パターン)を完成させます。裁断も含め一着のために行う工程であるため、仕立て代が増します。
他にパターンオーダーやイージーオーダーを採用しているブランドもあります。
複数の型紙の中から選ぶことが出来、細部のサイズ調整が可能となり、素材や細かなディティールのカスタマイズが出来る場合もあります。例えばジャケットの下襟、ラペルと呼ばれる部分は顔周りの印象を大きく左右しますので、覚えておくと良いでしょう。
しかし、高級スーツも既製化しており、定番のスーツが用意されています。
一般的な体型の方であれば既製スーツから選ばれるとよいでしょう。袖丈やパンツ丈は調整できる場合が多いため、ご自身のサイズに合わせられます。
高級スーツは長く大切に着用できることを念頭に作られています。そのため、サイズに変化があったり微調整が必要な時のために縫い代を多くとり、修理がしやすいように作られているのも特徴です。
高級スーツは素材選びから始まり、細かな工程を重ねたブランドのこだわりが随所に溢れています。
以下では、そんな高級スーツを代表するおすすめのブランドをいくつかご紹介しましょう。
20万円以上の高級スーツブランド
スーツブランドの「高級」をどこで線引するかは難しいところがあります。人によって様々ですが、この記事では「20万円〜」のスーツを中心にご紹介します。理由としては、10万円をボーダーにしてしまうと紹介するブランドが多くなり過ぎてしまうからです。紹介するブランドを厳選するためにも「オーダーすると20万円程度」をボーダーラインにブランドをご紹介します。
Kiton(キートン)/イタリア

https://apparel-web.com
「アンコン仕様」「3つ釦段返り」「パッチポケット」など、いわゆる”ナポリ仕立て”の柔らかくてエレガントなスーツといえば、Kitonを真っ先に思い浮かべます。
「最高級のスーツ」を掲げ、100人以上の職人が数十時間かけてつくるスーツは世界でも最高峰の品質です。
この記事では高級スーツのボーダーラインを20万円としましたが、Kitonはボーダーラインを軽々超えます。ジャケット単体で60,70万円、パンツで10万円以上と、価格も世界最高レベルとなっています。
高級スーツとして外せないKitonをトップバッターとしてご紹介しました。
Ermenegildo Zegna(エルメネジルド ゼニア)/イタリア

www.zegna.com
ゼニアの特徴は軽くてなめらかな生地です。生地メーカーとして端を発した企業なだけあり生地作りへの追求は頭一つ抜けています。
専用の農場を持ち品質の高い原毛を取ることからゼニアの生地作りは始まります。紡績→染色→仕上げの一連の作業を自社内で完結させていることから「一貫紡」というシステムで呼称されています。
ゼニアは先程ご紹介したKitonにも生地を提供し、高級スーツの3割はゼニアの生地供給とされています。繊維業界のトップメーカーでもあるのです。
Belvest(ベルヴェスト)/イタリア

https://www.belvest.com//it
ベルヴェストは1964年にイタリア/パドヴァにてスタートしたクラシコイタリア協会所属の由緒正しいファクトリーブランドです。ファクトリーとしてエルメスやランバンなど一流メーカーのOEMを手掛けていたことでも有名です。
マシンメイドの既製服の中で最高峰と言われ、マシンメイドをベースに着心地を左右する重要な工程は職人による手仕事を採用。最高級の生地を選び、伝統を継承したモノ作りをしつつもトレンド感溢れる艶やかで色気のあるスーツ作りが他のブランドとの大きな違いとされ、ナポリ仕立てとはまた違った美しい仕上がりです。
目の肥えたファッション業界人から支持を始め、弁護士や医師、バンカーと言ったエリート層からの信頼が厚く、“ラグジュアリースーツの代名詞”としてそのポジションを不動にしています。往年のハリウッドスター、フランク・シナトラも愛用していたことで知られています。
Belvest既製スーツ参考価格:¥270,000(税込)~
Brioni(ブリオーニ)/イタリア

https://www.brioni.com/
ブリオーニは1945年にイタリア/ローマで誕生しました。当時、オーダーメイドを正統派とする紳士スーツを既制化した革命的なブランドとして知られています。イタリアの伝統的技術を取り入れ、卓越した職人の技術と、「芸術」と評されるハンドテーラリング、最高級の生地に徹底的にこだわり、オーダーメイドを超える既成スーツを完成させました。
独自の“ブリオーニメソッド”により一着のスーツの完成に220工程、22時間を超える作業、ハンドステッチの数は約5,000~7,000と言われ膨大な手間をかけて作られています。一般的なスーツは100~150工程とされていますので、ブリオーニのスーツがどれだけ工程が多く時間を費やしているか分かるでしょう。
また、ジャケットのフォルムを助ける芯地や毛芯など、表生地に馴染むように天然素材を使用し、独自で開発することで妥協のない完成度の高さを追求しています。ハンドテーラリングによるブリオーニのスーツは、軽く柔らかいため順応性があり、あらゆる体型にフィットし型崩れしないことで評判です。誰が着てもブリオーニという存在感を放つ「最高級スーツ」であると高く評価され、支持され続けています。
映画007のジェームズ・ボンドが着用した事でも知られ、各国のアクター、政界、著名人の愛用者も多く、男性の憧れの格好良いスーツブランドとして名を馳せています。
Brioni既製スーツ参考価格:¥517,000(税込)~
Cifonelli(チフォネリ)/フランス

https://rosemei.ga
1880年イタリア/ローマで創業し、英国で仕立て技術を学んだ二代目が1926年にフランスのパリへと拠点を移しました。イタリアのテーラリングと英国の端正さにパリのエレガント、セクシーさを融合させた「ヨーロピアン・エレガンスの極み」と称される長い歴史を持つブランドです。
1992年から2008年までエルメスの生産を手掛けてきたことでも有名。
首から肩にかけてのしなるようなラインやほのかに膨らみ張り出した袖山がチフォネリの特徴。メンズスーツに華やかさや優雅さを引き出し特有のデザインに、表から想像することのできない細かで高度な技術が盛り込まれた職人技の光る作りです。
“動きやすく、自由を感じるスーツ”と表現され、エレガントに仕上げられ、イタリアや英国とは異なるフレンチスタイルの魅力に溢れています。
最高級の素材だけでなく、デニムやカジュアルな素材なども採用。フレンススタイルの最高峰スーツブランドでありながらライフスタイルに合わせたスーツを仕立てる姿勢が世界中に広く受け入れられています。
Cifonelli既製スーツ参考価格:¥380,000(税抜き)~
Chester Barrie(チェスターバリー)/イギリス

https://www.woolmark.jp
チェスターバリーは1935年英国中部の町、クリューで創業しました。
創業者サイモン・アッカーはアメリカ人でテーラーの技術を駆使した伝統的な手法と最高級の生地を使用し、最高水準の既製服を提供する高級紳士服ブランドとなりました。創業当時の工場はすぐに手狭になり、1949年にそれまでロールス・ロイス社が使用していた土地を航空省から借り受けました。1961年にさらに拡張した大きな工場へ移転し、現在は工場内で約200名の職人たちが80%以上の工程を手作業で縫製しています。既製服でありながらテーラーの聖地とされるサヴィル・ロウと同水準の品質を誇っています。
その仕立ての良さから「既製服のロールス・ロイス」と評されるチェスターバリーですが、ロールスロイス社との偶然の縁があったことも興味深いものとされています。
美しく高品質でクラシカルな生地、細部への細やかで精度の高い手仕事は80年以上に渡り支持され続けています。顧客の中にはウィンストン・チャーチル、ケーリー・グラント、フランク・シナトラ、アクターやスーパーモデルなども多数名を連ねます。また、ラルフ・ローレンの最上級ラインである“パープルレーベル”のスーツやジャケットはチェスターバリーのファクトリーで手掛けられており、その技術の高さへの信頼が伺えます。
最高級の品質でありながらお手頃な価格も人気を後押ししています。
チェスターバリー既製スーツ参考価格:¥106,920~
Hickey Freeman(ヒッキー・フリーマン)/アメリカ

asm.asahi.com
高級スーツブランドとなるとイタリアメーカーがほとんどですが、アメリカからもオススメを紹介します。アメリカンテーラーの最高峰といえばHickey Freemanでしょう。
「ソフトテーラリング」をコンセプトに柔らかい着心地が特徴となっています。独特の柔らかさを作るために、曲線部分は手縫いを多用しています。
“決まり過ぎる”イタリアンテーラーに抵抗のある方にもおすすめできるテーラーです。
まとめ
高級スーツがなぜ高級なのかをテーマにひも解き、オススメのテーラーをご紹介しました。
生地も、使用されている副資材も職人の技術も最高レベルであり、手仕事が多く一着に対する膨大な手間を要していることが“高級”ランクに至っています。高級スーツが長い歴史を刻みながら絶えることなく支持されるというのは、他に変わらぬ着心地と高いフィット感、品質の高さ、身に付ける人の存在感を高める完成度にあると言えます。
そんな高級スーツの違いを実際に感じてみてはいかがでしょうか。
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