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【大人の定番】Graphpaper(グラフペーパー)の魅力に迫る
Graphpaper(グラフペーパー)は上質なアイテムを好む大人の男性から支持されるブランドの中でも人気の高いブランドの一つです。アルケー読者の方の中にファンも多いでしょうし、代表の私も愛用しています。
手掛けるのは、セレクトショップ「1LDK」をはじめ、数々のコンセプトストアをプロデュースしてきたalpha PRの南貴之氏。
ブランドとしては2016年春夏コレクションからスタートしました。
日々変わる時代のスタンダードに「今」の空気感を絶妙に織り交ぜ、あらゆる洋服に袖を通してきた大人に向けた上質なワードローブを提案しています。性別に捉われず、メンズ・ウィメンズともに着用可能なアイテムを展開。
また、様々な有名ブランドとの積極的なコラボレーションや、別注アイテムのリリースが多いこともグラフペーパーの特徴です。毎シーズン発表されるコラボアイテムは発売と同時に即完売するものもあるほど、根強いファンがいることでも有名です。
店舗デザイン
グラフペーパーと言えばそのアーティスティックなショップデザインで知られ、“ギャラリー”としての機能を持つキュレーション型セレクトショップとして2015年に東京・青山店のオープンを皮切りに直営店を展開しています。
ショップに足を踏み入れると、そこには“アイテムが見当たらない”グラフペーパーの空間が佇んでいます。
時代や部類を超え、全てを作品として捉え、ギャラリーで展示するように並べることを目的に作られました。全てを並列化するためのシンメトリーな空間で、黒いキャンバスを手前に引くと作品が存在する仕組みになっています。
キャンバスの内側に作品を収めたのは空間自体を作品とし、余計な視覚的要素を排除するためとのこと。
グラフペーパーのブランド名の由来
青山の第一号店をオープンする際、南氏がショップの図面を上から見て、
“何となく方眼紙(グラフペーパー)みたいだと思った”ということからつけたそうです。ブランド名は違う名前にしようと思われていたのですが、良いものが見つからず“面倒だから”同じ名前にしたというユニークなストーリーです。
筆者もブランド名には特段こだわりがなく、重要なのは内容だろう、というスタンスなので、このエピソードには共感します。
グラフペーパーの代表的なアイテムとは
フルアイテムを展開するグラフペーパーですが、その中でも不動の人気を誇り、ブランドの名を広めることに起因したのは“シャツ”です。
グラフペーパーは英国の名門シャツ生地メーカーThomas Mason(トーマスメイソン)の生地を毎シーズン使用しています。
高級なベッドシーツにある素材と同じクオリティである最上級のシャツ生地を選ぶ理由は、ディレクターの南氏が“寝るのが大好きなので、シーツに包まれたまま外に出るような感覚を体現したかった”ことから。
最近では、トーマスメイソンの生地を用いたシャツも増えていますが、グラフペーパーのシャツはゆとりのあるシルエットも相まって、まさに”リラックスシャツ”といった着心地です。
最新のコレクションの中から人気のシャツをご紹介しましょう。
Thomas Mason オーバーサイズバンドカラーシャツ \27,500(税込)
グラフペーパーの定番人気である、ゆったりしたスリーブにワイドなシルエットのボタンダウンシャツ。
トーマスメイソンの細いピンストライプ柄が入った良質なコットンブロードを使用。滑らかな肌触りと上質なコットンが放つ美しい上品な光沢で、抜群の着心地です。
ボリュームのあるボックスシルエットで後ろのドレープが特徴のデザイン。アメリカのクラシックなボタンダウンを研究し、グラフペーパー独特のバランスを採用したモデルです。上質な生地だからこそ生み出せる完成度で、カジュアルとドレッシーが融合したグラフペーパーならではの1枚。
愛用者なら、後ろ姿を見ただけで“グラフペーパーのシャツだ”と分かるほどだそうです。
1枚でもシャツアウターとしてもコーディネイトを格上げし、ボトムのシルエットを問わず合わせやすいのもポイントです。
グラフペーパーのコラボ作品
有名ブランドとのコラボや別注アイテムも多いグラフペーパー。これまでにコラボレーションしたブランドには、ループウィラー、マッキントッシュ、ATON(エイトン)やFILA、FUTUR(フューチャー)など、数多くのブランドやメーカーとのコラボアイテムを発表してきました。
その中でもループウィラーとのコラボスウェットは即売することの多い人気商品として注目を集めています。
最新コラボ作品として発売されたスウェットをご紹介しましょう。
LOOPWHEELER for Graphpaper Raglan Sweat \26,400(税込)
ループウィラーから復刻されたラグランスリーブシリーズのクルーネックスウェットをグラフペーパー独得のビッグサイズに仕上げたエクスクルーシブ製品です。
裾と袖口リブを配色使いにしたデザインは着こなしをポップに見せてくれそうな1枚。白ベースにグレーの逆配色バージョン、無地のワンカラーバージョン3色の計5色が発表されています。
和歌山の昔ながらの吊り編み機を使用したループウィラーのスウェットは滑らかな肌触りと丈夫さに優れ、着れば着るほどにその違いを感じることが出来ると言われます。極上の着心地にグラフペーパーの独創性が融合され、“大人が欲しいスウェット”を実現しています。
縫製箇所には面面に配色の3本針飾りステッチが入っています。素材に馴染む糸を選び、糸のテンションを負荷なく合わせる、職人の手による細かな仕事が見えます。
袖口に付けられたブランドのピスネーム。カタカナ縦書きの愛嬌もループウィラー好きにはたまりません。
グラフペーパーのアイテム&コーディネイト
グラフペーパーはショップの制服を作ることからスタートした意外なストーリーを持っています。一番初めに作ったのがコート、そしてシャツ、コックパンツでした。
販売スタッフがモノを入れやすいよう、両胸にポケットをつけたシャツ、
どれだけきれいに作れるか工夫したワークウエアのパンツは現在でもショップのベストセラーなのだそうです。
ミニマムで、時代のスタンダードであり続ける大人のためのワードローブを展開するグラフペーパー。日常を豊かにしてくれるアイテムコーディネイトを幾つかご紹介しましょう。
オーバーサイズTシャツ×ツータックテーパードパンツ
S/S Oversized Tee \15,400(税込)/Wide Stripe Wool Two Tuck Pants \46,200(税込)
日本に数台しか稼働していない貴重な吊り編み機で作られた度詰め丸銅天竺を使用したオーバーサイズTシャツ。丸銅で作られているため脇線がなく、縫い代がないため快適な着心地で、ネック周りは着脱や洗濯で伸びないよう工夫された作りとなっています。
大人が着てカッコいいオーバーサイズを研究しつくしたグラフペーパーならではのサイジングが光る1枚。ブランドの定番Tシャツとして変わらぬ人気を誇っています。
パンツのシルエットが良く見えるカットをご紹介します。すっきりしたウエストから裾に向かってテーパードがかかった、クラシックなトラウザーズのディティールを用いたパンツ。ヒップ周りに余裕を持たせ流れるようなシルエットが視線を外せない仕上がりで、履く人をスタイルアップしてくれます。
幅広のストライプが特徴で糸に強く撚りを加えることで清涼感と通気性を持たせたウール素材を使用。これだけの幅広なピンストライプは簡単には見つけられません。満足度を何倍にも上げてくれるパンツと言えるでしょう。
Suvinニットベスト×ミリタリークロス2タックパンツ
Suvin Vest \26,400(税込)/Military Cloth 2 Tucks Pants \26,400(税込)
大人のリラックスした着こなしにラグジュアリー感をプラスしてくれる上質感と高いパターンメイキング力によって実現されたクオリティの高いアイテムコーディネイト。
インドの最高級コットン“SUVIN GOLD”を使用し、14ゲージで編まれたニットベストは糸が持つ上品な光沢と十分な油脂分による滑らかな肌触りが特徴。EARLY90’Sイメージのルーズシルエットで、カジュアルなスタイルをドレッシーに見せてくれる優れもの。立体的なシルエットが特徴のグラフペーパーのパンツに抜群の相性です。
ビンテージのミリタリークロスをモチーフにオリジナルで作ったヘビーウェイトの二重織り生地を使用。触れると指先が滑らかになるほど、上質な糸が持つ“ぬめり感”のあるやわらかさが特徴です。
90’Sのリーバイスをデザインベースにしたシルエットをアレンジし、グラフペーパーらしい、360℃どの角度から見てもきれいなシルエットに仕上げています。
生地のふくらみや上品な光沢による陰影が活き、この生地でしか出せない美しさで、カジュアルな着こなしを上品に、ジャケットスタイルの硬派な着こなしにソフトな印象をプラスしてくれるでしょう。
ガーメントダイショップコート×ウールコックパンツ
Garment Dyed Shop Coat \79,200(税込)/Selvage Wool Cook Pants \30,800(税込)
インナーにトーマスメイソンのピンストライプシャツを合わせたコートスタイル。
グラフペーパーのブランドスタート時にショップスタッフが着用していた”原点“をアップデートし、定番アイテムとして展開しています。
高圧での製品染によるパッカリングが立体感を生み出し、味わいのある表情が魅力。季節を問わず着用できるサイジングで、ボトムを選ばない絶妙な丈のバランスをとっています。今シーズンはシャツとのコーディネイトを推奨していて、硬派な着こなしにモード感を漂わせています。
旧式のシャトル織機で丁寧に織り上げたオリジナルのウールギャバジンを使用したコックパンツ。フランスのコックパンツをベースに作られたグラフペーパーの定番パンツです。ウール素材を特殊な加工によりナイロンのようなクリアな質感に仕上げ、着用した時の柔らかなシルエットに深みを与えています。
ウエストはサイズ調整可能なフリーサイズ仕様で、快適な履き心地も備えており、普通のように見える特別なパンツを体現しました。
コーディネイトし易いため、ユーザーから「気づいたらいつも履いている」と言わせるパンツです。
GraphpaperדREPRODUCTION OF FOUND”コラボスニーカー
German Military Trainer \30,800(税込)
コートコーディネイトにコーディネイトされているスニーカーは2020年3月にリリースされたばかりのグラフペーパーとREPRODUCTION OF FOUNDによるコラボスニーカーです。
1980年代にかけてドイツ軍でトレーニングシューズとして採用されていたジャーマントレーナーをベースに、スロバキアのファクトリーで現代的に再現したもの。アッパーにはイタリア製の良質なスムースとスエードが使用され、今シーズンのテーマを反映させたメタリックレザーを採用したアート作品のような一足です。アウトソールにはドイツ軍で実践使用されていたBWソールを使用するこだわりで、この一足に込められた情熱が美しく表現されています。
コーディネイトにこなれ感を出し、上品に格上げしてくれるでしょう。
まとめ
グラフペーパーにフォーカスし、これまでのストーリーや愛されるアイテムをご紹介してきました。
長く愛されるブランドの共通点の一つには原料に対するこだわりが深いことが挙げられます。イメージする物を作るためにはそれを叶える素材が必要です。
効率化と逆行する昔ながらのモノ作りを選び、独自の世界観を持っているのがグラフペーパーです。
余計なモノがなく、シンプルだからこそ活きるシルエットの美しさや上品さ、抜群のサイズ感と快適さ。それは大人が欲しい洋服です。
これまであらゆるシーンを通ってきた“今”の大人を満足させてくれるブランドであると言えるでしょう。
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