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エシカルファッションとは?働く人や環境を考慮した新しい取り組み

Category 2019/02/09

近年注目されている新たな消費のスタイル

企業の社会的責任などが問われる今日ですが、消費者の責任、消費者意識の高まりも無視することは出来なくなってきています。

アパレル業界でも「倫理的な消費」や「エシカルファッション」と呼ばれる言葉が少しずつ浸透し、潮流を作り出しています。

今回は、昨今注目を集めているエシカルファッションについて紹介いたします。

 

エシカルファッションとは?

エシカルファッションの定義

エシカルファッションの前に、まずは「倫理的消費」について説明する必要があるでしょう。

「倫理的消費」とは、地球環境や社会貢献、労働環境などに配慮したモノやサービスを、積極的に選択して消費することを指します。現在多くの人々に認知されている活動として、途上国搾取を行わないために適正価格で製品を購入する「フェアトレード」や、環境負荷の少ない原料やパッケージデザインの選択、エコバッグでの買い物などが挙げられます。

そんな「倫理的な消費」の流れを受け、ファッションの業界で、倫理的なバックグラウンドを持った衣類を積極的に購入しようという消費者姿勢や、大量生産大量消費ではない別の志向を持った衣類そのもの、またそうした活動に取り組む生産者の姿勢などを包括的に「エシカルファッション」と言います。

 

オーガニックコットンを使っていることだけがエシカルファッションではない

http://www.fragmentsmag.com/

 「エシカルファッション」の一環として、もっとも早く消費者に浸透し、現在多くの企業が採用しているものとして、「オーガニック原料の仕様」が挙げられると思います。主たる例は「オーガニックコットン」です。土壌の力を低下させる化学肥料や、生態系と農家の人々の健康に悪影響を与える殺虫剤を始めとする農薬を使用せずに時間と手間をかけて育てられたオーガニックコットンは、割高でも人々の間で受け入れられています。

しかしながら、オーガニックコットンを使用するだけがエシカルファッションではありません。

 

労働者の権利を守ることも重要

自動化がこれほど叫ばれている現代で、服飾産業は人の手がまだまだ必要な稀有な業界です。工程が極めて多くその一つ一つが繊細で、さらにデザインが多様化していることにより、自動的に縫製を行う機会を開発導入するよりも、賃金の安価な国・地域に工場を建設し、現地人を雇用するほうが安上がりだからです。そうして労働力を持て余す発展途上国にファストファッションブランドを始めとする多くのブランドの工場が進出し、安価な賃金と劣悪な環境で人々が働いています。

倫理的な消費者は、コットンを始めとする衣類の原料の栽培過程だけでなく、その原料が最終製品である衣類になるまでに関わる労働者の人権にも目を向けなければなりません。しかし現状は、消費者が生産者の公正な賃金、適切な労働環境などが意識されることはあまりありません。産地に拘る人々は一定数いますが、そこで誰がどんな環境で縫製をしているのかまでは意識が及んでいないのです。

倫理的消費がトレンドとなりつつあり、オーガニックコットンの使用を謳った衣類が当たり前となってきた現在では、原料がオーガニックなのかだけではなく、つくり手の人権にまで目を向ける必要性を否定することはできないでしょう。

 

日本の生産現場にもエシカルファッションが必要

目を向けなければいけないのは、発展途上国にある工場だけではありません。日本の工場も例外ではないのです。賃金の上昇によって、多くの生産拠点が海外へ移り、日本国内の工場の多くが閉鎖に追い込まれたことは、避けられなかったことかもしれません。現在日本に存在している工場の多くは、海外の工場では代替不可能な技術を持っているため生き残っています。

しかしながら、そんな貴重な日本の工場も、不遇を受けています。海外に大量の低賃金労働力が存在するため、買い手(注文をする側)のちからが強い市場になっており、非常識な低価、短納期を迫られている工場が多く存在しているのです。

そうして冷遇される工場には人が集まらず、後継者不足に悩まされ、結果的に自らを差別化していた技術の継承が危うくなっています。

MADE IN JAPANのブランド力は、消費者が日本の工場が置かれている環境を考えなければ、低迷する一方でしょう。日本の生産現場にもエシカルファッションは必要なのです。

 

エシカルファッションはなぜ生まれたか

エシカルファションという言葉がいつ生まれたかについては、明確にはわかっていませんが、倫理的な消費がファッション業界において重要視されるようになったのは、2013年、バングラデシュの首都ダッカのほど近くで起こった「ラナ・プラザの悲劇」が大きな要因を占めています。

2013424日、縫製工場などが入っていた8階建ての商業ビルが崩壊し、死者1127名、負傷者2500名以上をだすバングラデシュ史上最悪の産業事故が発生しました。低価での納品を可能とするため、安全基準を大きく下回り違法に建て増しされ、労働者が過密状態で働いていた商業ビル「ラナ・プラザ」が、発電機と大量のミシンの振動に耐えきれなくなり崩壊したのです。そして縫製工場に発注を行っていたのが欧米や日本のファストファッションブランドであり、これらのブランドが労働力を不当に搾取して利益を上げていることが明るみに出たのです。

この事故発生の17日後に奇跡的に救出された女性によると、ラナ・プラザでは一日の労働時間が10時間以上で、月給はたったの6000円程度。仮に週5日労働で換算しても時給はたったの30円にしかなりません。また、事故から一年たっても企業からの補償を受けていなかったそうです。( http://www.afpbb.com/articles/-/3013761 )

この悲劇は、数多くの企業を状況の改善に向けさせ、消費者にとっても劣悪な労働環境を意識させるものとなりました。しかしながら、具体的な行動に踏み切っていないブランドや、付け焼刃的な施策しか行わない企業も数多くあるのが現状です。消費者が極端に安い衣類を買い続けるのをやめなければ、状況の好転は難しいかもしれません。

 

「ラナ・プラザの悲劇」

http://livedoor.blogimg.jp/

 

消費者にとっての意義

エシカルファッションは、現代のトレンドではありますが、なかなか浸透していません。その大きな理由として、ファストファッションをはじめとする従来の業態と比べて、コストパフォーマンスに劣ってしまうことが挙げられます。従来の業態が不当に低価な原料と労働力に支えられているならば、これは避けられないことです。

しかしながら、消費者がエシカルファッションを積極的に選択する意義はたしかにあります。特に、衣類の値段以外の部分に価値を見出す先進的な人々にとって、大きな三つの意義があるのではないでしょうか。

 

消費を通じた社会貢献

エシカルファッションを選択することは、社会貢献に直結します。環境負荷が少ない原料を用いた衣類を購入することは、地球環境にとってプラスに働きます。そして、適切な価格で購入する「フェアトレード」や、適切な労働環境でつくられた衣類を選択することは、搾取なき世界を作る上で重要です。そして、搾取を行ってきたのは先進国ですから、これは先進国の人間の義務とも言えるでしょう。

また、価格以外の側面に着目して衣類を購入することは、過度な価格競争にストップを掛け、衣類の単価が上がるため、服飾業界を中心に経済的な成長に貢献できるというメリットもあります。

エシカルファッションは、地球環境、人権、そして経済的にポジティブな影響を与えるものなのです。

自分の良心に正直でいられる

現在の業界を取り巻く状況を知れば、多くの消費者が心を痛めます。それは、現状が、良心にそぐわないものだからです。SNSなどの発展により、こうした心の痛む状況は、さまざまなソーシャルキャンペーンや、ドキュメンタリーとして消費者のもとに届いています。もう、知らないでいることは不可能な時代に来ているのです。(ソーシャルキャンペーンの一例: https://youtu.be/KfANs2y_frk )

こうした状況のもとで、エシカルファッションを選択することで、自らの良心に正直なライフスタイルを送ることが出来るでしょう。不都合な真実から目を背けるのではなく、むしろ変革するためのアクションを起こすことで、毎日の生活に少なからず幸福感を付け足せるはずです。

エシカルファッション・ブランド

エシカルファッションに取り組んでいるブランドは、国内外を問わず多く存在しています。

MOTHERHOUSE –途上国から世界に通用するブランドを

https://pbs.twimg.com/

https://www.mother-house.jp/

MOTHERHOUSE(マザーハウス)は生産拠点の途上国の服飾産業の地位を上げることを目指し、服飾品のすべての工程に倫理的な配慮を行っている日本のブランドです。

「その国にあった素材、生産方法を尊重したものづくり」、「現地トップクラスの労働環境」、「末永く愛用するためのケアサービスと修理の充実」、「小さな要望にも耳を傾ける生産体制」をモットーに、「途上国vs先進国」、「生産者と顧客」といった二項対立を超えたコミュニティの創出を目指しています。

革製品を中心に、ジュエリーやストールなどのアクセサリー類、アパレルまで幅広いラインナップを有しています。特に、主製品である革鞄は、プライベートで使えるトートバッグから、ビジネスで活躍するブリーフバッグまで幅広く展開しています。

また、関東と近畿地方を中心に香港や台湾など、国内外で30店舗あまりを展開しており、現在日本で最も認知されているエシカルファッション・ブランドの一つでしょう。

途上国の製品にしては割高な価格帯ですが、そのこだわりや哲学、そして長持ちするクオリティやサービスを鑑みると決して高くはありません。

 

Stella McCartney –エシカルファッションの先進的メゾン

https://logos-download.com/

 

ポール・マッカートニーとステラ・マッカートニー

http://i2.cdn.turner.com/

ポール・マッカートニーの次女であるStella McCartney(ステラ・マッカートニー)が自身の名前を冠して2001年に立ち上げたブランドです。最も認知されているのは、アディダスとのコラボレーションである「Adidas by Stella McCartney」です。

厳格な菜食主義者であり、動物愛護主義者である彼女のブランドには、オーガニック原料や再生繊維が多く使用されており、サステナビリティーを念頭においた企業姿勢が注目を浴びています。皮革や毛皮を一切使用しないコレクションは、ハイブランドとしては画期的です。

設立当初から動物愛護団体をはじめとするチ ャリティー団体への寄付、労働環境への配慮なども行っており、幅広く倫理的な活動を行ってきた、先進的なエシカルファッション・ブランドです。

https://ethical-leaf.com/

 

G STAR RAW

https://prnewswire2-a.akamaihd.net/

G STAR RAW (ジースター・ロウ)は、オランダのアムステルダム初のデニムブランドです。縮まない、色落ちしない、ねじれない革新的なジーンズのRAWをはじめ、足をきれいに見せるための立体裁断や、ユニークなデザインを施したジーンズが人気を博しています。また、ヨーロッパのデニムブランドとしては割安な価格帯であるため、ヨーロッパのデニムに初めて挑戦したい人にもおすすめのブランドです。

このブランドはサステナビリティーに力を入れていることでも有名なブランドで、2015年、ファレル・ウィリアムズと彼が経営参加しているBoinic Yarn社とコラボし、海や海岸に捨てられたプラスチックをリサイクルした素材を使用した「Raw for the Oceans」コレクションが話題になりました。

 

Raw for the Oceans」コレクション

https://assets.awwwards.com/

ブランドのウェブサイト(https://www.g-star.com/ja_jp/sustainablejeans)では、ジースターがサステナビリティーのために行っている数え切れないほど多くの取り組みが紹介されています。

ジースターは原料のサステナブルな取扱において、Cradle to Cradle(ゆりかごからゆりかごまで)という、寿命を迎えた原料をゴミとして終わらせず、もう一度新たな命を吹き込む(2つ目のゆりかご)モノづくりを行っている企業を評価する欧州発の認証で、ゴールド認証を得ています。また、「安全で公平な労働環境」では、評価機関によって客観的に高水準の労働環境が整えられていることが認められています。また排水を98%リサイクルし(残りの2%は自然蒸発)、従来比で70%も省エネな乾燥方法を使用、世界で最も環境負荷の少ないインディゴ染めのアルゴリズムを開発するなど、この企業のサステナビリティへの拘りは他者の追随を許していません。エシカルファッションに取り組むデニムブランドを探している方には、これ以上の選択肢はないかもしれません。クリーンなデニムから、デザイン性の高いデニムまで、幅広いラインナップも魅力的です。

 

「幅広いラインナップ」

http://openers.jp/

 

まとめ

ファストファッションは、人々に安くておしゃれな服を提供してきましたが、大量生産大量消費の時代が終わりつつある今、新たな消費のかたちが必要とされています。トレンドに沿った服を毎シーズン買い換えるのではなく、上質でシンプルな衣類を身につけるノームコアスタイル、ミニマルスタイルが流行しているのも、そんな時代の終わりを告げている証拠だといえます。

エシカルファッションは単なるトレンドではなく、これからの社会を生きる人々が追求すべきライフスタイルであり、かつ毎朝服を着るたびに満足感を与えてくれる生き方でもあります。ヨーロッパでおこなわれた調査では、消費者はやや高くても倫理的に適切なバックグラウンドをもった製品を選択する傾向にあるそうです。アイテムそのものだけでなく、秘められたストーリーに着目することは、「経験」が買われている現代では徐々に当たり前になっていくことでしょう。

そんな消費者の声に答える形で、高価格帯ブランドからエシカルファッションを取り入れ始めています。グッチやカルバン・クライン、ラルフ・ローレンは毛皮の使用を中止しています。またつい先日には、CHANEL(シャネル)が、ブランドの倫理基準を満たす調達手段がなくなったことを主たる理由として、エキゾチックレザー(家畜以外からとれる革)と毛皮の使用を中止することを発表し、業界に衝撃を与えました。( https://www.huffingtonpost.jp/2018/12/05/chanel-bans-exotic-skins-and-fur_a_23608866/ )

今回は、地球にも優しく、つくり手にも優しく、買い手も幸せになれる、そんな新たな消費のかたちであるエシカルファッションについてご紹介いたしました。

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